世界を目指す前に 知っておきたい、あれこれ

未来を生きる次世代への置き書き

留学が就職に役に立つようにするには?

suhartini, · カテゴリー: 未分類

留学経験は本当に自分の武器になるのだろうか?そう悩む人は多いと思う。

このことについて、筆者なりの意見を書いてみようと思う。

既に書いたが、筆者はインドネシアの芸術大学に籍を置いていた。

そこで同じ留学生仲間の中で、音大を卒業したばかりのアメリカ人男性と知り合った。

留学の目的を尋ねると、彼はこう答えた。

取得した単位がどれも中途半端で、どの道に進むにも、専門性が足りないことが致命的な弱点なのだとか。

そこで、インドネシアの芸術大学へ留学し、ガムラン音楽を研究することで専門性を持たせ、突破口を見出そうと考えたらしい。

彼は幸い、国費留学生に選ばれ、学費は無料で生活補助が支給されたが、いざ留学生活を始めてみたら、現地では留学生個人が講師を雇い、レッスン料を払って演奏技術を習得することが常態化していたことが分かった。

で、レッスン料の捻出ができない彼は、講師を雇うことができない。

下調べが甘かったことが原因とはいえ、講師の側も留学生へのレッスンは大事な収入源なので、レッスン料を払えない留学生に対し、手を差し伸べるようなことはなかった。

彼は留学生活を続けるうえで致命的な状況だったにもかかわらず、学生から手ほどきを受けながら、留学生活を続けた。

何としても、専門性が欲しいのだという。

なにもせずに帰ったら、もう後はない。だから帰るわけにはいかないのだと。

 

どうやらアメリカでは、専門性が非常に大事らしい。

そういえば、アメリカの雑誌なんかには、読者モデルの肩書が職種で書かれている。

例えば、「ショップマネージャー」や「○○コーディネーター」のように、肩書は必ず職種だ。

それに対して、日本では、肩書はたいてい、「会社員」と一括りにされるか、せいぜい「銀行勤務」となる。

日本の場合、どこで働いているかが、その人なりを表しているので、こうなるのだろう。

そのせいか、専門性を意識せずとも就職できてしまう。

特に、文系女性の仕事は。

筆者もそういう形でしか仕事をしてこなかった。

ところが、芸術大学での留学を終え、帰国後にカルチャーセンターに企画書を出して採用された時には驚いた。

日本での研究歴が6年ほどあって、現地の大学にも籍を置いて研究したので、冷静に考えれば有りうる結果だが、留学とは、こういう、自国で学びきれない専門性を高める手段なら、評価されるということなのかもしれない。

つまりはこういうことだろう。

そもそも専門性がない人が、語学習得程度に留学したのだとしたら、やはり専門性が弱いことには変わりはない。

こういう人は、たぶん、留学が就職に有利になるということはないだろう。

一方、国内である程度、専門性を身につけ、留学を通じて、さらにその専門性に磨きをかけている人がいる。

そういう人は、たぶん、留学が就職で有利になるんだろう。

だから、留学経験を就職に生かしたいなら、その前にある程度、専門的なバックグラウンドが必要なのではないかと思う。

留学自体が専門性を高めるとしたら、語学の講師になることぐらいにしか寄与しないのかも。

 

ちなみにだが、例のアメリカ人の友人は、留学中に彼女が出来て、そのまま就職の道を探り、インターナショナルスクールの音楽教師となった。

アメリカの音大を卒業していることと、インドネシア留学を通じて現地の音楽を身に着けた経験が生かされた形だ。

もちろん、そんなこと、本人はアメリカにいた時は考えてもみなかっただろうが、ただ漠然と留学するのではなく、専門性にこだわったことが結果につながったのだろう。

 

 

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