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天明の大噴火を物語る景勝地
鬼押し出し園
歴史的な大噴火の跡地を歩いて
大地のエネルギーを学ぶ
軽井沢は、ジョンレノンも滞在した名避暑地。その軽井沢のシンボル、浅間山は世界でも有数の活火山として知られます。
浅間山は、これまでに幾度となく噴火を繰り返してきましたが、最大の噴火は1783年(天明3年)に発生した、天明の大噴火 と呼ばれるもの。
当時、東北地方で冷害が続いているなか、浅間山が大噴火。火山灰は日本各地へ降り注ぎ、作物へ壊滅的な被害を与え、これが天明の大飢饉 へとつながっていきます。
ここで紹介する「鬼押出し園」は、天明の大噴火で流れ出た溶岩の凝結地帯。当時の人が描写した噴火の様子が名前となった場所で、世界三大奇勝地のひとつとして数えられます。
園内は、グロテスクな岩海の中に遊歩道が張り巡らされ、犠牲者の霊を弔う浅間観音堂を参拝したり、所々で高山植物が楽しめます。もちろん、浅間山を眺める絶好のロケーションでもあります。
しかし、美しく雄大な浅間山の景色と、そのふもとに広がる溶岩流跡の眺めは、自然の驚異そのもの。大地の巨大なエネルギーを前に、人間は打つ手がないのだということを悟らされます。
大地の活動に関する学習は、火成岩の種類をはじめ、暗記が多くうんざりしますが、ここを訪れれば火山活動へ関心が深まるかもしれません。近くには浅間山火山博物館もありますので、あわせて見学してもいいと思います。
ちなみに見学可能な期間は、雪の降らない3月後半~12月初旬となっていますのでご注意ください。
園内は30分コースから60分コースまでの遊歩道となっており、浅間山の自然を堪能できます。
天明の大飢饉の様子。飢えをしのぐため、人肉までもが食されている様子が描かれている。
火山は溶岩の粘度が強いとドーム型を形成し、粘度が弱いと平たい形となりますが、浅間山はその中間の円錐形。鬼押し出し園は粘度の強い溶岩によって形成されたものです。また、嬬恋村は夏の冷涼な気候を生かした高原野菜のキャベツで有名です。