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日本工業大学
産業技術博物館
「動態保存」から学ぶ
技術者のシゴト
動く蒸気機関車は子供にも大人にも大人気
有火運転はぜひとも参加したい
蒸気機関車はその名のとおり、蒸気を動力とした乗り物。
ボイラーで石炭を燃やして水を沸騰させ、発生した蒸気で車輪を回転させて作りだす動力です。イギリスの産業革命は、蒸気機関の実用化によってもたらされ、産業のみならず、交通や生活に大きな影響を与えました。
この蒸気による動力は現代でも活用されており、日本の電力の多くを担う火力発電は、この原理で発電しています。
「蒸気による動力って、そんなに力強いのか?」
こんな疑問に答えてくれるのが、工業技術博物館が定期的に行う、蒸気機関車の有火運転というイベント。石炭を燃焼させて発車を実演してくれます。
イベントでは、間近で車体の重厚な作りを堪能できるだけでなく、見学者を運転席に乗せてくれますので、炎の熱気を感じ、蒸気の力で車輪が徐々に回転していく様子が体験できます。まさに、革命をもたらした動力の力強さが実感できます。
動態保存ってなんだろう?
この有火運転は、日本工業大学によって運営されている工業技術博物館で定期的に行われています。工業技術博物館は、展示する工作機を「動態保存」で展示し、教育に役立てるユニークな博物館として知られます。
ちなみに動態保存とは、工作機を現役で動かせる状態で保存すること。展示品はメンテナンスが施された状態で保存されているため、職員にお願いすると動かしてもらえます。
有火運転で走らせる蒸気機関車も、ここの展示品のひとつで、1891年(明治24年)に製造されたイギリス製の国鉄2100型。
有火運転は、もちろん日頃のメンテナンスを怠らない動態保存のたまもの。大切な教育活動の一環なのです。
なお、有火運転イベントは、原則として8月と12月を除く第3土曜日に実施しておりますが、急な都合により運転を行わないことがあります。また、運転時間は限られていますので、事前に運転予定を電話で確認することをおすすめします。
(工業技術博物館問い合わせ電話番号:0480-33-7545)
有火運転は知る人ぞ知る、人気イベント。思わずカメラを向けたくなります。
丹念に整備をする技術者の姿も、ここでの見どころのひとつです。
工業技術博物館で展示する多くの所蔵品は企業より寄付を受けたもの。日本の産業を支えてきた工作機のほか、国の有形文化財に登録された工作機も展示しています。そんな活動に対し、1998年には工学教育賞を受賞しております。