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地形をとらえて学びを深める
国土地理院
地図と測量の科学館
地図は新しい視点の宝庫
国土地理院は、正確な測地を通じて国土の有効活用や災害対応に役立てることを目的とする機関。その国土地理院が運営する 地図と測量の科学館 は、測量の歴史や仕組み、役割を学ぶだけでなく、日本国土の地理を体感できるユニークな施設です。
地形を体感する展示でおすすめは、「日本列島空中散歩マップ」。縮尺10万分の1の日本列島を3Dメガネで立体的に観察します。地球儀や地図では得られない平野の広がりや盆地のくぼみ、山脈の連なりや海溝の深さなど、国土の起伏が実感でき、地理の学びを深めることができます。
また、野外の「地球ひろば」は日本列島の球体模型。ちょうど地球を20万分の1に縮小した大きさですので、宇宙から見た地球をイメージできます。
たとえば、子供の目線は1.5m位の高さですが、この模型では高度300km上空に相当します。それはちょうど、スペースシャトルが宇宙ステーションに向かう途中で眺める地球の姿といったところでしょうか。ちなみに、旅客機が通過する高度1万kmは、この模型からたった5cmの高さでしかありません。
このように、宇宙と地球の距離が実感できるので、JAXA筑波センターと合わせて見学すると楽しめるでしょう。
もちろん、測量や地図の歴史や古地図の展示もあります。
現代までに世界中で様々な地図が描かれましたが、そには憶測や神話が入り混じっており、当時の人が世界をどう捉えていたかが表れていて興味深いです。
また伊能忠敬が作成した「大日本沿海輿地全図」(伊能図)や、幕末まで広く使われていた長久保赤水の「改正日本輿地路程全図」(長久保図)も展示しております。双方を見比べてみると、長久保図も決して劣ることはなく、日本地図の先駆者と呼ばれるのもわかります。
様々な情報が詰まった地図を活用したり、作成することを通じて、私たちは様々な視点を得たり、学びを深めることができます。館内では様々なアトラクションがありますので、急がずにじっくりと楽しみましょう。
①様々な標石 ②測量に使われる機材
③測量用航空機「くにかぜ」
3D眼鏡を通じて日本の国土を立体的に確認していきます。
「地球ひろば」は宇宙から見た地球を体験できるユニークな展示物。宇宙ステーションからみた地球を想像させます。 高度400mを飛ぶ宇宙ステーションはこの模型から2mの高さになります。
長久保赤水が作成した「改正日本輿地路程全図」藩や街道沿いの町が読み取れます。幕末の藩士もこの地図を使用していました。
シーボルト事件は、長崎に鳴滝塾を設けたオランダ人医師 シーボルトが帰国の際、伊能図の国外持ち出しを図った事件。精密な海岸線を描く伊能図は軍事上の最高機密として扱われていたため、持ち出しを図ったシーボルトが追放された事件です。