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仏教信仰と
石切の歴史が織りなす
絶叫展望台
鋸山と日本寺ハイキング
スリルと絶景、仏教遺産、見所が満載
鋸山といえば、絶叫展望台「地獄のぞき」。
鋸山は、東京湾フェリーが寄航する金谷港からほど近く、江戸時代から明治わたって房州石という良質の建築用石材が採掘された場所。その採石によって切り出された絶壁が、東京湾を見渡す絶景とスリルを味わう展望台「地獄のぞき」となっています。
鋸山のもうひとつの魅力は、仏教由来の歴史遺産。
鋸山のほぼ全体が、「乾坤山日本寺(けんこんざんにほんじ=日本寺)」という寺になっております。
日本寺は、725年に聖武天皇の勅詔(しょくちょう=天皇の命令)により、行基が開いた国家鎮護を祈願する寺院。仏教を篤く信仰し、仏教によって国を護る(まもる)思想にもとづいた、奈良時代の歴史を思い起こすスポットでもあります。
鋸山を楽しむには、ロープウェイを利用して山頂展望台へ登り、日本寺の見どころをダイジェスト版でまわるハイキングコースのほか、鋸山の麓から頂上を目指し、日本寺のほか、石切りの歴史や林道を楽しむトレッキングコースがあります。
1) ロープウェイ利用のハイキングコース
コースの詳細は「鋸山ロープウェー」はで配布されるパンフレットが詳しいです。
最も長いルートでも、山頂展望台から百尺観音、地獄のぞき、東海千五百羅漢、日本一の大仏をまわって山頂展望台に戻るコースが90分と手軽。低学年の小学生連れならこちらがお勧め。山頂展望台をのぞく見所はすべて日本寺内にあり、別途入場料(大人600円、子供400円)が必要になります。
また、ロープェイ山頂駅には石切の歴史をたどる資料コーナーがあります。鋸山から切り出された房州石はねこ車を使い、女性の手によって港まで運搬されました。散策中、採石跡を伺える岩肌が所々で見られますが、採石の歴史がわかると、ハイキングの景色が一味違う景色となります。
2) 麓から山頂までのトレッキングコース
このコースがわかるパンフレットは観光案内所「石の舎」で配布されています。
麓~山頂までは、ねこ車を用いて石の運搬に使われたという「車力道コース」をはじめ、「関東ふれあいの道コース」、「安兵衛井戸と沢コース」、「林道コース」など、様々なコースがあり、往復で5時間程度かかります。もちろん、日本寺の拝観料を払えば日本寺の名所も見学できます。
注意していただきたいのは、どのコースを選んだとしても足場が悪い場所が方々にあるので、運動靴で行くこと。また、山中の散策なので余裕を持った時間をもって散策しましょう。
観光案内所「石の舎」(PIZZA GONZOというレストラン内)
TEL:0439-69-2840
営業時間:9時00分~15時00分、水曜日が定休。
①絶叫展望台「地獄のぞき」 ②日本一の大仏
③ハイキング中の石段
地獄のぞきから見下ろしたところ
鋸山で採石された石材の標本。このほか切り出しに使われた道具や運搬具が展示されております。
散策路は石段だらけ。運動靴でないと厳しい!
山頂駅に近い日本寺の入り口。ここで日本寺の案内図をもらいましょう。
聖武天皇は奈良の大仏をはじめ、日本全国に護国寺を建立した天皇。 行基は多くの寺院を建立しただけでなく、橋や道路、困窮者のための布施屋を設立するなど社会事業を成し遂げた高層として知られます。