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東京理科大学
近代科学資料館
時代を物語る計算機の歴史
理系の学問に親しむ資料館
算具から学びの歴史が見えてくる
どうしたら、楽に、正しく計算できるのだろうか?
...こんな悩みはいつの世であっても、だれもが直面してきた苦労です。計算は、利益の分配や税の徴収など、正しい経済活動のために必要不可欠だったからです。
近代科学資料館は、東京理科大学が運営する、日本一の計算機コレクションを誇る資料館。江戸時代の和算書や様々な様式のソロバン、真空式計算機や電動式計算機など、100機を超える歴代の計算機が一堂に会しており、時代を追って展示されております。
ここに集められている算具は、どの機種も、当時としては画期的なものばかり。私たちが使っている電卓が生み出されるまで、さまざまな仕組みの考案が繰り返されてきた歴史がわかり、先人たちが培ってきた科学技術研究のあゆみを感じさせる資料館となっています。
また、ここにはアップル社のiMACをはじめとする、時代を象徴するパソコンも勢ぞろい。電子機器が時代を象徴するツールであることがわかります。
この資料館のもうひとつの特徴は、学生がスタッフとして働いていること。わからないことや興味があることなど、どんなことでも話しかけると色々と解説してくれます。こういった学生や職員とのコミュニケーションが楽しめるのも、大学が運営する小さな資料館の良さでしょう。
このほか、英語教育が始まったばかりの頃に使用された誤訳だらけの英和辞書や、算術の教科書など、学びの歴史に関する資料も展示されていますので、お見逃しなく。
副題にもあるように、この東京理科大学(旧名:東京物理大学)は夏目漱石の「坊ちゃん」が卒業したという設定の大学。近隣には風情の残る神楽坂があり、学びに対する厳かな雰囲気があふれる資料館となっています。
①小石川後楽園の風景 ②東京理科大学の飯田橋キャンパス
③近代科学資料館の入り口
近代科学資料館のポスター。数々の展示品が私たちの目を楽しませてくれます。
1948年、リヒテンシュタインの会社が販売したクルタ計算機。手のひらほどのサイズで携帯できる計算機として画期的なもの。ユダヤ系オーストラリア人技師がナチス収容所で考案したので、手りゅう弾っぽい形状が印象的。